習慣化のメリットを引き出すスイッチ
昨日、習慣にしたいならまず自分の性質を知る【早起き430日目】という記事の中で、“習慣として身につけるために効果的なスイッチを探し、習慣化のメリットを最大限に引き出しましょう”と書きましたが、実はこれは昔自分が後悔したことで、今後への戒めでもあります。
スイッチを上手く探せないまま、というか探すこと自体を知らなかったまま終えてしまった習慣があったんですね。
それがジムです。
9年5ヶ月通ったジムのシューズ
私は1年ちょっと前まで9年5ヶ月同じジムに通っていたんですが、この間ずーっと同じシューズを履いていました。
9年5ヶ月で使ったシューズが1足ってそんなに摩耗しないの?って思われるかもしれませんね。
私の通っていたジムはサーキットトレーニングといって、30秒器械を動かしたら30秒はその場でステップを踏むか軽く走るという内容で、本格的にランニングマシーンに乗ったり、ジャンプやステップを踏むという激しい動きがなかったんです。
だからシューズも運動用というよりは、どちらかというと器械が足に当たらないとか、ステップで足を悪くしないようにというケガ防止の面が大きかったように思います。
入会する前に体験レッスンに行ったんですが、そのとき周りの会員の人もNIKEとかasicsとかを履いている人がほぼ皆無だったので、自分もそんなのでいいやと思って、レッスンのあと数日して地元の安売りの靴屋さんで2,000円のものを買いました。
…でもこれが大きな失敗だった…。
ご存知のとおり、私はその気軽に入ったジムをなんと9年5ヶ月も通いました。
その間使ったシューズはこの2,000円の1足のみ。
超もったいないと思いませんか?
もしこの長い期間で、もっと高機能で、軽くて、足にフィットしているちゃんとしたシューズを履いていたら、さらに成果が出ていただろうに!
2,000円とケチらずに、15,000円くらい出していたら。
15,000円もそのときに買ったら高いと感じたでしょうが、9年5ヶ月(=113ヶ月)で割ったら1月あたり133円。お菓子1つ買うだけの値段でした。
もし2足履いてもその倍だから266円。
この価格に対して、効果は絶対にそれ以上だったはずです。
もちろん「それは結果論であって、9年5ヶ月続いたのは偶然かもしれないじゃん」と言われたらそこまでですが、問題なのは、当時「とりあえずのお試しだし、どうせ半年くらいで辞めるんだろうな」と思った自分ではなく、辞めるだろうと思って安いシューズを買ってしまった自分です。
突き詰めると、元々は、自分の性質を知らなかったことが原因です。
どういうことか説明しますね。
私の性質として、まず私は新しい何かを始めようとして、そのために必要なモノがあるとき、まず「すでに自分の身の回りにあるもので代用できないか」と考えます。
モノを増やすのがキライなので、買わないで済むのだったら買わないままでいたい。
もしちょっと必要だなと思っても、例えばレインシューズとか水着とか一時期しか使わないやつだと、結局は「また今度にしよう」とか「来年にしよう」と思い直して、結局何年も買わないといった行動をとります。モノを買い控えるタイプ。
なのでジムのシューズに関しても、できるだけ家にあるものを使いたかったんですが、ジムは室内だし、持っているシューズはさんざん外で履いていて、拭いたとしても汚くてとても室内で履ける状態でなかったため、仕方なく買ったんです。
で、「どうせ半年くらいで辞めるんだろうな」の気持ちも相まって、2,000円のシューズにした。
…だけど、本当は、私のような買い控えタイプは、こういうことをしちゃいけないんですね。
むしろ最初から15,000円のシューズを買うくらいでいい。
もちろん最初に思ったまま半年で辞めてしまったらお金としてはもったいないかもしれないけれど、でも残り50%の確率で、私は9年以上ジムに通うことになったし、もしもっと良いシューズを履いていたら、ジムに通う期間は変わらないとしても、身体に現れる成果は違ってきたでしょう。
むしろジムに物足りなくなって早く辞めて、自分なりにトレーニングまでするようになって最終的にフルマラソンを走っていたかもしれない。
そう思うと、今更ながら惜しいことをしたなーと。
だから、買い控えタイプの人は、良い習慣を続けるためなら出費にも価値があると思ったほうがいいです。
私は自分のことをこのタイプと認識していなかったために、ジムに通うという習慣の効果を最大限に引き出せませんでした。
…もしかしてここまで読んでもまだ“半年しかやらなかったらお金のムダじゃん”って思ったそこのあなた。
そうです、お金のムダです。私もジムを始める前そう思ってました。そしてこれこそまさに買い控えタイプの思考。
でも半年しか続かなくてもそれもまた結果です。
何かを始めようとした時点で、辞めるも続くも50%、50%の確率です。よほど自分の意思に自信がない限りはね。
で、もしお金のムダになったとしても、「ああお金のムダになったな。でも何でそうなったんだろう」って考えればいいんですよ、そしてそれを次に生かせればそれでいいんです。
私なんて、原因が自分の性質にあったことに気づくのに9年もかかっちゃったんですから!
15,000円より9年もムダにしたことのほうがずっとずっと悔しいですわ。
…
ここまで読んでも「なんかしっくりこないわー」と思ったあなたはもしかしたら逆のタイプですかね。
何かをはじめようとするとき、すぐ必要なグッズを揃えたい人。
つまり買いすぎタイプです。
買いすぎタイプの人
私は買い控えタイプですが、逆の買いすぎタイプのこともよく知っています。
そう、私の家族がまさにこっちのタイプ。
家族はとにかく自分のモチベーションを上げるために、まずモノから入ります。
私とは別のジムに通いはじめるときも、わざわざNIKEやアディダスのショップに行って一式揃えてましたし。
ジムだけでなく、普段仕事で使うシャープペンも1本1,500円もするやつだし、手帳代わりに使っているノートも気に入ったものがあって、100均のだと気分が上がらないと言い、毎月買いに行くのも面倒だからと月に1冊使うとして12冊一気に買ってました。
それらを見るたびに、私は「そんなに最初からいろいろ買っちゃって…私より飽きっぽいんだし続かなかったらお金のムダじゃん」と思っていますが、彼の中ではそれが習慣化させるためのスイッチなんですよね。それを常に持っていることでモチベーションが上がるらしいんです。
でも結果的には続かないこともよくあるので、買いすぎタイプの人は、モノを買うだけでは良い習慣は身につかないくらいに思っておくのがベターではないでしょうか。
買い控えと買いすぎがお互いをカバーし合うこと
私たち2人だけでもここまで真逆だと、ご想像のとおり、買い物ひとつ一緒にいっただけでまあよく揉めます。
1人は「そんなものいらない。家にあるやつでいいじゃん」と言い、もう1人は「家にあるやつはだいぶ前に買ったから機能も古い。今の商品の方が断然機能も良いし、それを使うことで効率が上がるしそれによって自分の時間も増えるじゃない」と言います。
以前はこのモメる時間が正直苦痛でしたね。
でも今は、特に自分がジムのシューズで失敗した経験をしてからは、だいぶ考えが変わりました。
「まるだったらきっと使い続けると思うし、メンテナンスもちゃんとするんだから思い切ってこれを買ったほうがいいよ」と上手くおだてられつつ、他よりちょっと機能も値段も高いものをすすめられるんですが、それを素直に受け入れられるようになってきました。
それが続くと、次第に自分ひとりで何かを買うときも、「安売り買いの銭失いは結果的に失敗するからやめよう。もし半年でも使い続けたら、その間毎日気分が上がるし、この値段を払うだけの価値はある」と思うまでに。
なので、今は何か新しいことを始めようとするとき、それを習慣化しようとするときは、必ず高くても質の良いもの、自分の気分が上がるものを選ぶようになりました。
…
2,000円のジムのシューズを買って失敗したと気づくまでに9年以上かかってしまいましたが、私にとっては非常に良い勉強になりました。
もしあなたも私のように買い控えタイプなら、何かを始めるときは自分の背中を少しムリして押してでも良いものを揃えることをおすすめします。
そのほうが後で振り返ったとき、そのスイッチが習慣化を最大限に引き出してくれたと確信するでしょうから。
ミズノのランニングシューズはデザインで好みが分かれるとは思いますが、機能性が抜群に良いらしい。一時期調べまくりました。
ああ私もジムに居たときこれを履いていればなあー。