これからの夏の季節、汗をかいたり脱水症状になりそうなら経口補水液を
5月になって、すっかり初夏の陽気になりましたね。
外で過ごしやすくなったぶん、スポーツやバーベキュー、ハイキングなど楽しいイベントもこれからどんどん増えますが、逆に外で仕事をする営業の人や建築関係の人、農業をしている人などにとっては身体にこたえる季節かもしれません。
私の家族も、去年の夏に朝から夕方まで陽の当たる場所で毎日仕事をしていたら、ある日家に帰ってからとても体調が悪いと訴え、そのあと激しい嘔吐と頭痛に襲われて寝込んだときがありました。
脱水症状をおこしていたんですね。
で、そのとき飲んだのが経口補水液(けいこうほすいえき)でした。
経口補水液は、失われた水分・電解質を補給するもので、脱水症状を起こしているときに飲むと良いとされています。
幸い次の日は休日だったので、1日かけて経口補水液をちょっとずつ飲みながら家でじっとしていたらようやく治りました。
その経験があってから、まる家では脱水症状を軽くみないこと、夏になる前でも、5月の陽射しが強い今から意識的に水分を多めにとるようになりました。
夫は特に仕事の途中で予防のためにもと色んなところで経口補水液を買ってみるものだから、今ではなかなかの経口補水液マニアになってます。
経口補水液とスポーツドリンクの飲み比べ
で、そんな彼が先日私に言いました。
「色んな経口補水液を飲んでみたけど、一番美味しいのは大塚製薬のOS1だ」と。
…いや経口補水液に味の違いなんてあるの?だってそもそも水と食塩くらいですよ、入ってるの。それで違いも何もないでしょうと。
しかし彼は頑としてゆずらない。
よしわかった、ならば今後ずっと買っていくものでもあるし、どうせ飲むなら美味しい方がいいから、ここで一度経口補水液の飲み比べをしようじゃないか。
ただ、経口補水液だけだと万が一味に違いがなかったときつまらないし、個人的に以前から経口補水液とスポーツドリンクの違いがわからなかったので、この際2種類を一緒に比較することにしました。
経口補水液はコンビニでも売っているか
さて、では経口補水液とスポーツドリンクを比較するとして、まずは色んな種類を揃えようということで2人で出かけたのですが、スポーツドリンクはコンビニでもスーパーでも自動販売機でも売っていたけど、経口補水液がなかなか見当たらない…。
夫いわく「経口補水液はコンビニには置いてないよ。自分も探し回ったけどどこにもない」
え、それホント?
いやいや想像してみてよ、外が暑くなってきてなんとなく体調が悪いな…と思ったとき家が近くなかったら、この現代、とりあえず近くのコンビニに駆け込んで買いたいじゃない。
…でも実際に探したら、セブンイレブンにもファミリーマートにもローソンにも経口補水液は置いてませんでした。
当然、自動販売機にもありません。
理由はわからないんですが、薬局にはどこでも置いてあったところから想像するに、医療的な観点からつくられたものだからですかね?
ちなみにスーパーも見てまわったんですが、うちの近所(一応地域のチェーン店)と都内2ヶ所のけっこう大きめのスーパーでも全然なくて。
家に帰ってネットで探したら、イオンでTOPVALU商品として経口補水液(レモン味)を取り扱ってはいたけど、それでも扱いとしては少ない印象ですね。
ということで、これからの季節、体調が悪いな、脱水症状かもと思ってコンビニに駆け込んだら経口補水液がなかった!とならないために、あらかじめ薬局やネットで買っておくことをおすすめします。
賞味期限は長いし、保管方法はペットボトルの水とかと変わらないので、うちでは箱買いしてキッチンの保管場所にしまっておいてます。
1日に飲んでいい量は?
下の画像はOS1のラベルですが、それによると、1日当たりの目安量として、
学童〜成人(高齢者を含む):500〜1,000ml/日
幼児:300〜600ml/日
乳児:体重1kg当たり30〜50mg/日
となっています。
もともと塩分が多い飲料であるため、飲み過ぎには注意が必要です。また、飲み方についてもがぶ飲みはNGのようです。
今回買ったすべての経口補水液には、このように側面に目盛りがついているので、
この目盛りを参考にするといいですね。
経口補水液は脱水症状の前でも後でも、どれを飲んでもいいのか
私も実際に買ってみて、ラベルを見てから気づいたんですが、経口補水液とひとくちに言っても、その成分はけっこう違います。
そして、
AJINOMOTOー「上手に活用したい水分補給に最適な経口補水液」
の中の「水分不足の度合い」でも言われているように、“経口補水液は、脱水症になる前から日常的に飲むのに適したものから、脱水症になった後に飲むのに適したものまで、さまざまなタイプのものがある”とのこと。
・正常→お茶・水・スポーツドリンク
・境界域→ナトリウム(Na)低め(80mg前後/100ml)の経口補水液 ※日常的に飲むのに適したNa濃度
・脱水症→ナトリウム(Na)高め(110〜120mg前後/100ml)の経口補水液 ※日常的に飲むときには注意が必要
なので、選ぶときは特にナトリウム(Na)の量に注目して、脱水症予防のためならナトリウム低めを、万が一脱水症状にかかったときのことを考えて買うならナトリウム高めのものがいいかもしれません。
後で経口補水液の成分を比較した時に、私もナトリウムの量に着目してみたので、あたなたもぜひ気にしてみてくださいね。
経口補水液を飲み比べる方法
では長くなりましたが、まずは経口補水液だけの飲み比べから始めましょう。
甘酒の飲み比べをしたときと同様に、今回もまる家での基準をつくりました。
☑ 甘み
☑ 苦味
☑ しょっぱさ
☑ 後味
そして、ブランドなどの先入観で決めたりしないように、1から3までの番号をふって、
私が見えないところで家族に1番から3番までのふせんをコップとパッケージにそれぞれ貼ってもらいました。
(写真は例なので、実際にやったときはこのとおりではありません)
そして1番からひとつずつ、だいたい10mlを数回に分けて飲んでいき、感想を基準の表に書き込んでいきました。
経口補水液3種類
今回買った経口補水液は3種類。
薬局を数か所回ったんですが、これしか見つかりませんでした。
・OS1(大塚製薬)
・からだ浸透補水液(武田薬品工業)
・経口補水液(日本薬剤)
まず1番手は大塚製薬のOS1(オーエスワン)。
価格:205円(税込み)
個人的に経口補水薬といったらこのOS1がまず浮かびます。というか家では「ねえうちにまだオーエスワンってあったっけ?」など、経口補水液のことをオーエスワンと呼んでしまっているくらいに浸透しています。
原材料名:糖類(ブドウ糖、果糖)・食塩
添加物:クエン酸(Na)・塩化K・リン酸Na・塩化Mg・甘味料(スクラロース)・香料
栄養成分表示(100mlあたり):エネルギー10cal・タンパク質0g・脂質0g・炭水化物2.5g・食塩相当量0.292g・カリウム78mg・マグネシウム2.4mg・リン6.2mg/ブドウ糖1.8g・塩素177mg
他のものもそうなんですが、経口補水液とはどういうものか、どういうときに飲むべかというのがきちんと書かれています。
【感想】まず、鼻を近づけときに香りはまったくしませんでした。次に一口目を含んだときにまず感じたのが「甘い!」ということ。飲み終わってもそうだったんですが、3種類の中で一番甘く感じました。
一口目の甘みの次はしょっぱさで、また甘さが来てという、甘さ→しょっぱさ→甘さという味の流れでした。
私は口の中で甘さとしょっぱさが分離しているような、またその甘さが少し人工的かなと感じました。
一方で、同じように飲み比べをした家族の意見では、先にしょっぱさが来ると。そして一口目にしょっぱさが来ることで、脱水を意識させてくれるような安心感があると言っていました。ちなみに甘みも感じると言い、多少人工的という意見は私と一致しました。
ただ今回飲み比べしてすごかったのは、家族は最初からOS1推しでしたが、結果を知らずにランダムに飲んでもすぐに「これがOS1で間違いない」と強く確信し、しかもそれが当たっていたことです。
しょっぱさによる安心感と先に書きましたが、彼曰くそれこそがOS1の良さであるとのこと。
それから注目のナトリウムの量ですが、ラベルには書いていなかったのでサイトで確認したところ、115mgでした。
これは先のAJINOMOTOの表で見るとナトリウムが高めなので、脱水になりつつあるときに飲むものですね。
よって日常的に飲むには注意が必要です。
2番手は武田薬品工業から。
価格:194円(税込み)
画の化学式がいかにも医療系な感じを受けますね。
原材料名:海洋深層水・ぶどう糖・香料・クエン酸・ビタミンB1
栄養成分表示(100mlあたり):エネルギー9cal・たんぱく質0g・脂質0g・炭水化物2.3g・ナトリウム44.7mg・ビタミンB1 2.5mg・カルシウム1.5mg・マグネシウム5.1mg・カリウム1.6mg
からだ浸透補水液の特徴は、海洋深層水を使用していることでしょう。
さて、この海洋深層水による味の影響はどうでしょうか。
【感想】まず感じたのはグレープフルーツのような柑橘系の香りの強さです。実は後に出て来る日本薬剤のそれも香ったんですが、それより強いと思いました。味も、市販のレモン水(果汁1%とか5%とかのやつ)をさらに薄めたような、またはこんにゃくゼリーのグレープフルーツ味のような、そんな感じです。
苦味や酸味は感じられず、最後に少ーししょっぱさがありました。
私はグレープフルーツの香りでスッキリ系だったのが美味しくて、3種類の中でダントツこれが気に入りました。
でも逆に夫は「海洋深層水らしい味がする」と言ってあんまりでしたね。
まあ確かに海洋深層水って独特の味がしますよね、ただ水に塩を溶いたのとは違うもの。でもそれも特徴で、私は抵抗ありませんでしたし、逆に脱水を意識する安心感がありましたが。
ナトリウムは44.7mgと日常時に飲む80mg前後よりずっと低いので、日常的に飲めそうですね。
最後に日本薬剤です。
価格:107円(税込み)
失礼ながら、日本薬剤のことは今回買って初めて知りました。
原材料名:果糖ぶどう糖液糖・食塩・塩化K・クエン酸・乳酸Na・リン酸Na・硫酸Mg・グルタミン酸Na・香料・甘味料(スクラロース)
栄養成分表示(100mlあたり):エネルギー10cal・タンパク質0g・脂質0g・炭水化物2.5g・ナトリウム100mg・カリウム80mg・マグネシウム2.6mg・リン6.1mg
【感想】まず一口目にガツンと甘みがきます。ちょっと人工的な甘みでしょうか。その後に少し苦味があって、最後に塩を舐めたあとのようなしょっぱさを感じました。
それから香りもあって、こちらもグレープフルーツのような柑橘系の香りです。
この飲料の特徴はずばりしょっぱさですね。私も強めに感じましたが、家族は“ダントツで”感じたとのこと。
じゃあナトリウムが多いのかというと、表記にあるとおり100mgで、3種類の中の真ん中だし、100mgと言えば日常的に飲めるくらいの量なので、特別多いわけではありません。
まあ他の成分との兼ね合いもあるし、味を感じる順番など要因はいろいろあるのでしょう。
107円と買いやすい値段なのはいいですね。
スポーツドリンクを比較
では次に、スポーツドリンクとの比較です。
スポーツドリンクは、
・VAAM(ヴァーム)(明治)
・Amino-Value(アミノバリュー)(大塚製薬)
・aminoVITAL(アミノバイタル)GOLD(キリンビバレッジ)
にしてみました。
なお、スポーツドリンクと脱水症状のときの関係はどうなのか、またもやAJINOMOTOのサイトでみてみると、
“スポーツドリンクは、糖分が多めであるため、血糖値の上昇や口腔ケア(虫歯)に配慮が必要です。体液バランスを維持するためには、塩分量が不十分です。”
ということは、やはり脱水症状のときにはスポーツドリンクより経口補水液が適しているんですね。
それはこれから見てもらうスポーツドリンクのナトリウム(Na)量を見ればわかります。
ただ、スポーツドリンクのメリット(?)として、スーパーやコンビニなどどこでも買えるというのは大きいです。
特にスポーツをやっているお子さんがいる親にとってはありがたいことですよね。
経口補水液はその性質からどこでも売れないのはわかりますが、一般家庭への普及という点で、スポーツドリンクのようにもう少し手に入れやすい環境になると、みんなも脱水症状への意識向上・予防がしやすいのかなと思います。
さて、それではスポーツドリンクの始めはVAAM。
価格:91円(税込み)
“運動中におすすめです”と書いてありますね。
VAAMでも“運動時に失われがちな水分・電解質を補給でき”るとのことですが、このあと出て来るスポーツドリンクもそうなんですが、スポーツドリンクはアミノ酸を摂取できるのが特徴のようです。
原材料や栄養成分はどうなんでしょう。
原材料名:食塩・トレハロース・アミノ酸(プロリン、リジン、グリシン、チロシン、スレオニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、アルギニン、イソロイシン、アラニン、グルタミン酸、トリプトファン、ヒスチジン、セリン、メチオニン、アスパラギン酸Na)・酸味料・香料・塩化K・クエン酸Ca・塩化Mg・甘味料(スクラロース、ステビア)
栄養成分表示(100mlあたり):エネルギー0cal・タンパク質0.3g・脂質0g・炭水化物0.74g・ナトリウム40mg・カリウム12mg・カルシウム4.6mg・マグネシウム1.2mg
そう、スポーツドリンクの特徴として、甘味料が入っているんですね。
塩分だけでなくて、糖分も補給するという。
そしてナトリウム(Na)量が40mgということは、日常的に飲むのに適したものということ。
【感想】経口補水液を飲んだ後だからだと思いますが(もちろん毎回水で口をゆすいでから試飲してます)、まず思うのが「甘い!」
しょっぱさより甘さが際立つので、水分を補っているというよりジュースを飲んでいる感覚になります。グレープフルーツ味ですし。
ただ、経口補水液は今の私のように健康状態だと“ただしょっぱいものを飲んでいる”ように思えますが、その点スポーツドリンクは普通に美味しく味わえます。
やっぱり健康体でスポーツをしているときに飲むのに適していることが改めてわかりますね。
特徴としては、3つのスポーツドリンクの中で唯一0calだということでしょうか。
次にAmino-Value(アミノバリュー)です。
価格:172円(税込み)
原材料を撮り忘れたので、サイトからお借りしました。
原材料:果糖・砂糖・食塩・酸味料・ロイシン・アルギニン・イソロイシン・バリン・塩化K・乳酸Ca・香料・甘味料(スクラロース)・炭酸Mg
栄養成分表示(100mlあたり):エネルギー18cal・タンパク質1g・脂質0g・炭水化物3.6g・ナトリウム49mg・カリウム20mg
【感想】個人的にはスポーツドリンクの中でこのアミノバリューが一番スッキリしていて好きです。飲んだ後も比較的口の中に甘さが残りません。
〇〇味のように柑橘系の味などはしなかったんですが、スポーツドリンク系は甘みが際立つので、私としては柑橘系の味や香りより、いかに甘みが抑えられてるかが気になったので。
これもナトリウム(Na)がナトリウム49mgなので、日常的に飲むのに適していますね。
最後にaminoVITAL(アミノバイタル)です。
価格:84円(税込み)
“必須アミノ酸2,000mg”が目を引きます。
原材料名:砂糖・食塩・クエン酸・ロイシン・香料・クエン酸Na・リジン・バリン・イソロイシン・スレオニン・リン酸K・フェニルアラニン・乳酸Ca・メチオニン・塩化Mg・甘味料(アスパルテーム、L-フェニルアラニン化合物、スクラロース)・ヒスチジン・塩化K・トリプトファン
栄養成分表示(100mlあたり):エネルギー13cal・タンパク質0.37g・脂質0g・炭水化物2.8g・ナトリウム41mg
【感想】こちらもナトリウム(Na)量は41mgと低めでした。そしてアミノ酸推しがすごい。
私としてはちょっと甘いかなと思いました。マスカット味ですし、運動をしている子どもには美味しいかもしれません。
スポーツドリンクを比較
長くなりましたが、今回の経口補水液とスポーツドリンクの比較はいかがだったでしょうか。
これでわかったことは大きく4つありました。
☑ 経口補水液は脱水症状の前と後でそれぞれ適したものがある=ナトリウム(Na)の量で異なる
☑ 脱水症状になりかかっているorなったら、スポーツドリンクではなくナトリウム(Na)量の多い経口補水液を飲む
☑ 経口補水液にはないが、スポーツドリンクには甘味料が入っている
☑ スポーツドリンクは、スポーツに必要なアミノ酸が入っている
こうして見ると、経口補水液とスポーツドリンクではその用途が全然違いますね。
今まで漠然と「経口補水液とスポーツドリンクって一緒なんじゃないか」「下痢や嘔吐で脱水になってもスポーツドリンクでいいんじゃないか」と思っていましたが、この結果でそうではないことを理解しました。
なので、あなたもこれを見て使い分けてみてください。
…
これまでも甘酒やらトマトジュースやら飲み比べはしてきてますが、毎回思うのは「1種類だけ飲むよりも比較することで違いがハッキリする」「自分の好みができる」「成分を見るようになる」ということですね。
その都度1本ずつ買って飲んで楽しむのもいいですが、私はこうして一度に比較して自分のお気に入りを見つけるのが楽しいですし、今後飲み続けるならできるだけ身体に合ったもののほうが良いと考えています。
今回の経口補水液では、私は「からだ浸透補水液」、家族は「OS1」とそれぞれお気に入りが見つかったので、あなたも良かったらこれを参考にして、ぜひ自分のお気に入りのものを見つけてみてください。